2017-01-01から1年間の記事一覧

Futility marginがdepthの線形でいい理由

定跡研究の知見をまとめつつある裏で、WCSCに備えて探索部の改造にも手を出しています。 評価関数は億単位の局面を使って億単位のパラメタを最適化するという人間の直感に反するものである一方、探索部は「まずは取る手から考える」とか「この局面は仮に盛り…

振り飛車最強決定戦(本戦) in Qhapaq

※ この記事は 振り飛車最強決定戦(前哨戦) in Qhapaq - qhapaq’s diaryの続編です 前回の記事で三間飛車(2手目32飛)、四間飛車、ゴキゲン中飛車、角交換四間飛車の勝率を測定してみた結果、序盤の角交換をQhapaqは良くないと思っていること、振り飛車…

振り飛車最強決定戦(前哨戦) in Qhapaq

プロ棋士の大半が居飛車を指す時代。コンピュータ将棋でも相手が飛車を振るとついガッツポーズをしてしまいがちですが、藤井銀河の爆誕や久保九段の王将戦での活躍など、振り飛車のポテンシャルはまだまだ底が見えていません。 本稿では、藤井猛九段のインタ…

汎関数を用いた時間攻めの導出(の数学的解説)

前回の記事で紹介した汎関数を用いた時間攻めの導出について解説したのですが、読者の方から数式をもう少し解説して欲しいとのリクエストをいただきましたので、此方にて解説します。 数学マニアじゃない方にも雰囲気が伝わる用に善処はしますが、元が理系大…

コンピュータ将棋流の時間攻めと電王戦の攻防

何を隠そう、私が最初に覚えた将棋の小技は時間攻めです。素人将棋では時間なんてそもそもカウントしないことも多いですが、プロ棋士(に限らずある程度将棋を指す人)の対局では持ち時間を意識した水面下の戦いは切っても切れない存在です。 終盤の圧倒的な…

レートの持ち時間依存性から考える技巧の敗因と探索部最適化

前の記事でも述べたとおり、探索部の最適化を阻む最大の壁は最適な探索パラメータ(アルゴリズム)が持ち時間に依存することです。本番の長い持ち時間(WCSCでは1試合1時間程度、電王トーナメントでは4時間)で探索パラメタを最適化するのは尋常じゃない計算リ…

ライブラリとして公開しているQhapaqのソフト/ツール一覧

2017.1.22更新 以下のツールをライブラリとして公開します。 現状のQhapaqのツールは定跡や棋譜解析ソフトであり、定義上、ライブラリ登録をしなくても使えるはずなのですが、念の為ここに公開しておきます。 ライブラリ申請の状況などについても此方で公開…

Stockfishベース探索の終盤力が弱いかもしれない件について

あけましておめでとうございます。電王よりリア充になりたいです。あとnatureに論文出したいです。WCSCでは新人賞と独創性をガチで狙いに行ってます。カステラの法則信者なので書いておきます。今年もよろしくおねがいします。 雑巾絞りによって評価関数学習…