第28回コンピュータ将棋選手権の感想戦(雑談編)

2018.05.08に修正

第28回世界コンピュータ将棋選手権に妖怪惑星Qhapaqとして参加しました。悲願の決勝リーグ進出を達成し、最終的な順位は7位入賞となりました。応援してくれた方、大会を支えてくれた方、大会を楽しんでくれた方全てにお礼申し上げます。

 

本稿では御礼に変えて実況などでは出てきにくい、Qhapaqから見た舞台裏のうち技術と関係ない話(技術的な話はもう少し検証が必要なので)をしていきます。

 

Crazy shogi、マジでCrazy:

本大会の注目株の一つであったCrazy shogi。海外勢としては2人目なのですが、日本語を話せない参加者が来るのは本当に久々で英語対応に苦慮しました。基本的にYSSの山下さんが対応をしていましたが、山下さんが大会運営に出ているときは代わりに私が説明をしたりもしました(中継ブログの画像でやたらRémiさんと一緒に写ってるのはそれだ)。

開発者のRémiさんは本当に将棋を知らないらしくCrazy shogiが矢倉を指したのを見て「Foooo,ゼロから学ばせたDNN将棋が矢倉指してるゥウ」と喜ぶ観戦者を尻目に「Hey,河童、未だ始まったばかりだが彼らは何を喜んでるんだ。もう決着ついたのか?」と呑気な様子でした。

Crazy shogiは対局毎に評価関数を差し替えていました。曰く「Alpha zeroの学習で強くし続けている」とのことです。

私「Rémiさんは強くなってるだろうと言ってますが、将棋強い民的にこの棋譜はどうです」

強い民(誰だかは忘れた)「序盤戦略は悪くないんだろうけど、人間的にはちょっと奇妙ですね」

私「あ、でもCrazy shogiってCGP(レート3500級のソフト)に勝ったみたいですよ」

強い民「それ、人間的には一番手に負えないやつですね」

 

将棋民怖い:

大会終了後に詰将棋カラオケをやろうと思っていたので、10分で解ければ2段の17手詰めなどが記載された書籍を持ち込みました。カラオケをやりながら倒すのであれば平常時で1分ちょいで解ける問題が適切だろうと考え、会場にいた将棋が強そうな人たちに解いてみてもらいました。

私「どうです?」

PALの山口さん(東大将棋部)「N分で解ければM段ってのは結構適当ですからね。あ、解けました(大体1分ぐらい)」

私「東大将棋部パねえですね。ちなみにこれをプロがやったらどうなります」

山口さん「一瞬じゃないですかね」

私「と、いうわけで千田先生どうです」

千田先生(指で駒を動かすモーションをする)

千田先生「解けました(大体30秒ぐらい)」

私「プロ棋士パねえっすね。あと、詰将棋解くときに指って動くものなんですね」

千田先生「いや、今回のは解けた後に手数確認するためにやっただけです」

私(アカン)

 

ライバルソフト強い:

今回のQhapaqはシード組。此方はaperypaqよりも強い評価関数を用意していた(そして、floodgateを観る限りaperypaqを大いに引き離す関数はないように見えた)ので、それなりに勝つ気でいましたが、ライバルソフトの強さに終始圧倒されていました。個人的に一番記憶に残ったのはPAL(二次予選で席が隣だったので色々話したのもありますが)です。

 

決勝リーグにて

私「昨日は後手角換わりで負けたので、今日は意表をついて角換わり拒否にしてみました。定跡巧者相手に角換わりは危なそうなので。」

山口さん「いいんですか、銀は78ですよ?」

私「Qhapaqの評価値的にはそこまで問題はないです。定跡外れてくれたようで何よりです」

山口さん「いや、これは先手が速攻を決めれば結構勝てるので定跡優先度が低いからそんなに作ってないってのが...」

私「ふぇ?」

(宣言通りQhapaqが一方的にボコられて爆死する)

 

ちっ

 

HER○Z大人気:

※:開発のデスマ故か記憶がパラレルワールドに飛んでいたので修正。

 

大会1日目の打ち上げでの話

私「評価関数ガチャに失敗しましたが、HEROZのIPO参加ガチャにも失敗しました」

打ち上げ参加者「あれ、めっちゃ株価上がったらしいですね」

私「でも平岡さん、今期もサンダル参加でしたよ」

打ち上げ参加者「そういえば平岡さんって何株持ってるんでしたっけ」

mtmtさん「8000株。ちなみに山本さんは...」

参加者(こ、この人全部覚えてやがる)

 

2次予選のQhapaq vs たぬき戦にて

たぬき「ちょっとたぬきが悪くなってきたかも」

私「Qhapaqの評価関数は良くなってきてます。このままHER○Zの株価並みに上昇してくれれば大成功です」

観戦者(名前失念)「30000超えたらMateですね」

平岡さん「それ安定してないやつやん」

(たぬきが唐突に河童玉の頓死を発見。その後Qhapaqも大反省)

私「hrokてめえええええええええええ」

 

修正前の間違った原稿も置いときます。

設営日から数えて大会2日目=一次予選ってのが何処かで飛びぬけ、

大会2日目=二次予選と勘違いした様子......

2次予選のQhapaq vs たぬき戦にて

たぬき「ちょっとたぬきが悪くなってきたかも」

私「Qhapaqの評価関数は良くなってきてます。このままHER○Zの株価並みに上昇してくれれば大成功です」

観戦者(名前失念)「30000超えたらMateですね」

平岡さん「それ安定してないやつやん」

(たぬきが唐突に河童玉の頓死を発見。その後Qhapaqも大反省)

私「hrokてめえええええええええええ」

---その後、2次予選後の打ち上げ---

私「と、いう暴言を吐きましたが、敬愛する平岡さんの財産形成のためにもHEROZの株価は高みを極めて欲しいですね」

打ち上げ参加者「平岡さんって何株持ってるんでしたっけ」

mtmtさん「4000株、ちなみに山本さんは...」

参加者(こ、この人全部覚えてやがる)

 

入賞スピーチの焼き直し:

本大会では決勝リーグでクラスタの準備が間に合わなかったりしたことをお詫び申し上げます。同時に、便宜を図ってくれた運営および視聴者の皆様に感謝申し上げます。

今回のQhapaqはそれなりに強くできたと思っていました。特に4月なんて本当に地獄でした。桜前線を観る代わりに評価値推移の前線を眺め、5月の旅行先を悩む代わりに飛車の行き先を決めることを悩むのは本当にクソゲーで、私はこんなクソゲーは一日でも早く滅んで欲しいと思っています。

しかし、私はこのクソゲーが大好きです。指す人や観る人をドキドキさせる力が将棋にはあります。そして、その魅力の運び手は400年前の名人であり、今のプロでありココで私と凌ぎを削ったライバルたちです。だから、私はみなさんが大好きです。

ですが、Qhapaqを倒した者共を私は決して忘れません。次こそは報復します。そのために、二つのお約束をします。一つは、Qhapaqをもっと強くして持ってくること、そしてもうひとつは私自身が強い将棋指しになって帰ってくるということです。Qhapaqにはまだ大きな弱点があります。開発者の棋力が低いことです。次はこれを乗り越えてみせます。勿論、棋力の高い人を加えて解決するのではなく、Qhapaqの力を使って私を強くすることで解決してみせます。

次の大会、ぜひ、Qhapaqとだけでなく、私とも将棋を指してくれれば幸いです。これからもよろしくお願いします。

 

 

なお、実際はこんなにうまく喋れてはいない。