将棋の先手勝率=52%に騙されてはいけない

Qhapaq アドベント将棋記事15日目 将棋における最初の勝負所は「先手を引くか後手を引くか」といえましょう。先手に戦型の選択権があり、後手のほうが苦労が多いのは人間でもコンピュータでも同じです。コンピュータ将棋では、先手の勝率は約6割あります。故…

やねうら王搭載の詰将棋ルーチンの千日手対応

Qhapaq アドベント将棋記事 14日目 やねうら王(tnk-)に搭載のdf-pnベースの詰将棋エンジンが図巧の1番を解けないことが発覚しました。時折聞かれる「コム将棋の開発ってどうやってやるの」という問への答えとして使えそう課題なので、図巧の1番の解決を目…

やねうら王搭載の詰将棋ルーチンの改造中継(ver 2)

Qhapaq アドベント将棋記事 13日目 前回の記事もマージしています。 やねうら王(tnk-)に搭載のdf-pnベースの詰将棋エンジンが図巧の1番を解けないことが発覚しました。時折聞かれる「コム将棋の開発ってどうやってやるの」という問への答えとして使えそう…

今の詰将棋ルーチンが図巧の1番を解けない話

Qhapaqアドベント将棋記事12日目(深夜34時にお送りします) 前々回の記事で解説したdf-pnベースの詰め将棋ルーチンですが、やねうら王(tnk)に搭載されているdf-pnベースのルーチンで図巧(江戸時代に作られたクッソ難しい詰将棋集)の1番が解けないことが…

【一言小ネタ】加藤一二三九段と棒銀

Qhapaqアドベント将棋記事11日目 加藤一二三九段と言えば棒銀...と言われているが棒銀の採択率は2割程度。 藤井猛九段の三間飛車と同じぐらいの採択率です。

高速な詰将棋アルゴリズムを完全に理解したい(完成版)

Qhapaq アドベント将棋記事10日目 今の詰将棋アルゴリズムで最強と言われているハッシュテーブル+df-pn探索(depth first - proof number)による詰将棋アルゴリズムの完全理解を目指していきます。 参考文献: memo.sugyan.com 【proof numberとは】 proof nu…

高速な詰将棋アルゴリズムを完全に理解したい(ver3)

Qhapaq アドベント将棋記事9日目 ※:連載記事ですが前回までの記事をmergeした記事になりますので過去作は読まなくても大丈夫です。 今の詰将棋アルゴリズムで最強と言われているハッシュテーブル+df-pn探索による詰将棋アルゴリズムの完全理解を目指してい…

藤井聡太棋聖に勝つと手に入る新タイトルSOTAについて考えてみた

遂に藤井棋聖が爆誕しました。ブログで藤井二冠が誕生する確率は75%を超えていると主張した身としては「せやろな」感がありますが、それにしても強い。強すぎるので勝った棋士なんて相当嬉しいのではなかろうか。というわけで藤井棋聖に勝った人が得られるタ…

高速な詰将棋アルゴリズムを完全に理解したい(ver2)

Qhapaq アドベント将棋記事7日目 ※:連載記事ですが前回までの記事をmergeした記事になりますので過去作は読まなくても大丈夫です。 今の詰将棋アルゴリズムで最強と言われているハッシュテーブル+df-pn探索による詰将棋アルゴリズムの完全理解を目指してい…

高速な詰め将棋アルゴリズム完全に理解したい(その1)

Qhapaq アドベント将棋記事6日目 ※:執筆時間不足の関係で複数回続きます。申し訳ないです ※:現在の記事の最新版はこちらです(連作ではなく、全ての解説を最新版に記載しています) 昨今のコンピュータ将棋は超高速で詰め将棋を解くことが出来る。という…

AIの対抗系から終盤問題を作ったらいい感じかも知れない件

Qhapaqアドベント将棋記事 5日目 棋力向上には詰将棋をやれ仮説に従って、コンピュータ将棋を駆使して終盤の詰み筋問題の自動生成をしたところ、問題が難しくなりすぎて悶絶してからはや一日。敬愛する将皇の終盤問題の多くが対抗系であることに目をつけ、QR…

AI作の終盤クイズが難しすぎる件

Qhapaq アドベント将棋記事 4日目 棋力向上には詰将棋をやれ仮説に従って、現在、詰将棋を無限に作ってくれるエンジンを開発しています。将棋ソフトの棋譜をベースに問題を作れば、棋譜の版権問題に引っかからずに実戦的な詰将棋を生成できるのではないかと…

【今回は】データからみる長考を棋力に変換するコツ【ネタ記事】

Qhapaq アドベント将棋記事 3日目 アマチュア将棋とプロの将棋の大きな違いの一つが「持ち時間」です。例えば名人戦となると2日で9時間(アマ棋戦は長くても1時間程度)となります。中盤の構想に時間を使うべきなのか、終盤に残して詰み筋を逃さないようにす…

藤井二冠が誕生する確率

藤井七段によるダブルタイトル挑戦は今の将棋界で最もホットなトピックと言っても過言でないでしょう。最年少タイトル更新、一気に二冠かなどとも言われていますが、実際問題、藤井七段が藤井二冠になる確率はどのぐらいなのでしょうか。少し計算してみまし…

将棋が強くなりたいならとにかく詰め将棋をやれ仮説

「将棋がどうやったら強くなるか」は将棋指しにとって長年の議題であると言えましょう。将棋が強くなる方法論にフォーカスした考察は詰め将棋や戦型の解説本に比べれば数は少ないものの、昭和から令和まで続く一大コンセプトになっています。 将棋の勉強方法…

角換わりの銀の行き場のナッシュ均衡

本稿はQhapaq Research Labの棋譜検索ツールの宣伝記事です。 今では序盤研究のお供としても活用されるようになったコンピュータ将棋ですが、コンピュータ将棋同士の対局での序盤研究では長らく勝率ベースの定跡作成が用いられています。高精度な昨今の評価…

Qhapaq Research Labに棋譜検索機能が実装されました

Qhapaq Research Labの棋譜レーティングシステムを大幅に更新しました。具体的には各ソフトの棋譜や戦型別の棋譜を検索できるようになりました。ベータ版ではあるものの戦型別勝率などの使いみちがあるので簡単に紹介したいと思います。 棋譜検索ページはこ…

Qhapaq from NeoSaitamaの評価関数(やねうら版)を公開します

WCSCオンラインで使ったQhapaq from NeoSaitamaの評価関数を公開します。 github.com 本評価関数はhalfkpe9版となっております。halfkpe9に対応したやねうら王はtttakさんのgithubなどから取得できます。 今回のqhapaqの関数は平たく言えばorhqa-halfkpe9で…

WCSCオンラインでのメタゲームの変遷とQhapaqの記録

世界コンピュータ将棋選手権オンラインverを視聴してくださった皆様、ありがとうございました。我々のチームはQhapaq_from_NeoSaitama(チーム:オムラインダストリ将棋部)で参加し、4位となりました。 本大会はNNUEの発展やディープ勢の躍進など複数のメタゲ…

流行りの機械学習をフル活用して棋力スカウター開発してみた話(後編)

歴代の名人と今の名人はどちらが強いのか。将棋が強くなる上で必要な力は何であるか。女流棋士は此処数年でどのぐらい強くなったのか。アマチュアトップとプロの実力差はどのぐらいなのか。前回に引き続きこの壮大な問に挑戦するべく、棋力スカウターの開発…

流行りの機械学習をフル活用して棋力スカウター開発してみた話(前編)

歴代の名人と今の名人はどちらが強いのか。将棋が強くなる上で必要な力は何であるか。女流棋士は此処数年でどのぐらい強くなったのか。アマチュアトップとプロの実力差はどのぐらいなのか。 こうした問題の答えを得ることは、将棋AIに期待されている大きな仕…

ダニング=クルーガー効果によるwebイキり対策とその誤用

ダニング=クルーガー効果とは、能力の低い人物が自らの発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう認知バイアスのことです。 ダニング=クルーガー効果はyoutube地方でよく見るwebイキリ芸人に対する防衛術から、エンジニア同士の奥ゆかしい…

金田一少年の事件簿の犯人当てマニュアル

※ マニュアル自体にはネタバレ要素はありませんが、実践編はネタバレがあります。ご注意ください。 金田一少年の事件簿は累計一億部を超えたミステリー漫画の金字塔とも言える作品です。長編漫画だけでも50以上の事件に巻き込まれ、数百人規模の死体と50…

技術書典の頒布物をweb販売します【10月4日まで期間限定】

技術書典7で頒布した「科学するコンピュータ将棋」、および「自宅PCではじめる自然言語処理」のweb販売を行います。販売期間は 2019年10月4日 23:59までです終了しました。ありがとうございます。 頒布物のアピール文 techbookfest.org 注意:今回は頒布物…

技術書典7でコンピュータ将棋本、および、自然言語処理本を頒布します

Qhapaq開発チームは2019年9月22日開催の技術書典7に参加します。良ければ是非足をお運びください。 techbookfest.org 以下、頒布物について簡単に紹介をさせていただきます。 頒布物は全て電子書籍です。QRコード入りの紙を頒布する形式です ※:これら頒布…

【人間の棋譜からの転移学習】最強クラスの振り飛車評価関数 shinderella を公開します

技術書典7の宣伝も兼ねて現在開発中の振り飛車の評価関数を公開します。 その名もshinderella(振デレラ)です。よろしくお願いします。 【ダウンロードは此方から】 Qhapaq Research Labのデータベースからダウンロード可能です。 Cute(0815、体感的に変…

将棋ソフトの勝率から見る振り飛車迫害の歴史

振り飛車は不利飛車である。きのこたけのこ戦争の煽り文句で出てきそうなこの文言は今や将棋界の暗黙の了解になりつつあります。 タイトルホルダーを居飛車に独占され、勝率の上でも居飛車に押され、プロ棋士にwebニュースで冬の時代到来と言われてしまうな…

リレー対局で最強将棋ソフトの三すくみを解消する話

【最強将棋ソフトの三すくみ】第29回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC29)が終了し、入賞ソフトたちの評価関数が公開されました。準優勝のKristallweizenや、初参加+デスクトップPCで7位入賞の水匠、有志作成の最強関数であるillqha4などが公開されました…

長文を3行ぐらいで纏めてくれるChrome拡張 IMAKITA on Chromeを作ってみました

半年ぐらい前にGigazineデビューした文章要約エンジンIMAKITAが遂にChrome拡張になって帰ってきました。 chrome.google.com 唐突ですが皆様は偉い人の長話に苛々したことはないでしょうか。言いたいことは短いのに枝葉をつけた長文を送られるのにウンザリし…

新時代のクラスタシステム ~MultiponderとPreponder~

第29回世界コンピュータ将棋選手権に参加された皆様、感染してくださった皆様、改めてお礼申し上げます。Qhapaq di molto(QDM)は5位入賞という結果を残すことが出来ました。 本大会でQDMはPreponderを使ったクラスタシステムを構築しました。Preponderは…